医者が起業してもええじゃないか

現役医学生が起業家を目指す。起業、医療、ITなど様々な分野を勉強して起業に向けて突っ走る、そんな体験記

ソフトバンク孫さん炎上!?その訳とは?

どうもおはこんにちばんわ、くんひろです。
 
ダイエットしていると最初の方は減っていくけど途中から超えられない壁ってあるじゃないですか。
 
ここ2ヶ月くらいずっとダイエットしてるのですが昨日その壁を突破して、嬉しさのあまり焼肉食べてしまいました。
 
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人生で一度でいいのでこんな体になりたいものですね
 
ダイエットもブログも気長にコツコツやることが大事ですかね。
 
今日は先日出たコロナについての記事をご紹介させていただきます
 
なぜコロナで検査をしないのかと疑問に思っている方も数多くいると思います。そういう方達にも理解していただけるように、わかりやすく説明していきたいと思います。
 
 
目次
 

記事の内容

 
記事の内容はソフトバンクの取締役会長、孫正義さんが自身のTwitterにて「コロナに対して無償で100万人分の検査キッドを用意する」との発言をされ、
 
それに対して主に医療者を中心に批判の声が強まってしまったという話です。
 
孫さんも決して悪気があって言ったわけではなく、むしろ孫さんのようなインフルエンサーが社会を変えようと働きかけることは本当に素晴らしいことです。
 
しかしながら医療という分野は非常に難しく、また専門性が大いに絡んでくるためこのようなことが起きてしまったのだと思います。
 
今回理解しとかなければならないポイントは2つです。
 
COVID19に特効薬がないこと
 
・検査は絶対ではない
 
ということの2つです。それぞれ僕が理解してる範囲で説明していきます。難しい言葉は()で注釈をつけております。
 

COVID19には特効薬がない

 
まずはCOVID19(今回のコロナウイルスの正式名称)には現在有効とされている治療法がありません。
 
様々な国で治療薬を開発、治験(本当に効くのか、または人体に害はないのかを調べる実験)を行なっている段階です。
 
そのためCOVID19に感染しているとわかったところで行う治療法は対症療法(病気の根本を治す治療ではなく、出てきた症状を軽減させる治療法)しかありません。
 
つまりCOVID19と診断されても何も得はないということです。
 

検査は絶対ではない

 
非常に難しい問題で、医療関係者以外にはなかなか馴染みがない考え方だと思います。
 
ここでのキーワードをまとめておきます。
 
 
・感度と特異度
 
11つ解説していきます。
 
例えばがんの検査を受けたとします。下の表のような結果になったとします。
 

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偽陽性とは、がんがないのにもかかわらず検査で陽性と出てしまうものです。表でいうところのcに該当します。
 
偽陰性とはがんがあるにもかかわらず検査で陰性と出てしまうものです。表でいうところのbです。
 
次に感度と特異度についてです。
 
感度ととはがんである患者を正しく陽性と判断する割合のことです。この表でいうとa/(a+b)です。
 
つまり感度が高いということは検査の見落としが低いということです。
 
次に特異度とはがんでない患者を正しく陰性と判定する割合のことです。
 
この表でいうとd/(c+d)です。つまり特異度が高いということは偽陽性が少ないということです。
 
このような言葉があるということはそれだけ検査が絶対ではないということなのです。
 
僕の調査不足なのかもしれないですが今回のCOVID19の検査の精度に関して公表されていませんでした。
 

要するに…

 
結論としてこの2つをふまえて、100万人にPCR検査を行うことを想像してみてください。
 
それだけの数を検査すれば、偽陽性つまりCOVID19でないのに陽性と出てしまった人も相当数でると考えられます。
 
そのような人達や軽症の人たちが一同に病院に押し寄せて、治療をしろと言ってきたらどうなるか、は医療に詳しくない人でも想像つくと思います。
 
本当に治療が必要な人、COVID19の重病な人に手が回らなくなり病院がパンクしてしまいます。
 
これの良い例がイタリアです。
 
イタリアでは感染者数確定する目的でPCR件数を8万6千件を行い(3/13時点)、
 
その結果患者が多数病院に押し寄せ病床が足りず、必要な人に医療が届かずにパンク状態になっています。
 
日本では現在1万8844件行っています(3/20時点)。ターゲットを絞って検査を実施することで医療崩壊を未然に防いでいます。
 
日本の死亡数は世界的に見ても素晴らしいと見て良いと思います。医療者の努力の賜物です。
 

本日のまとめ

 
・有効な治療法は見つかっておらず、対症療法を行うしかない
 
・検査も外れることがある
 
・イタリアはすでにPCR検査を多数行なってパンク状態
 
・検査は安心のために行うわけではない
 
・病院はCOVID19だけを診るところではない
 
ということです。なお孫さんはその後自身のTwitterで「評判悪いからやっぱりやるのやめようかな」ときちんと訂正しています。
 
またマスクの配布を決定したそうです。
 
これだけの権力者でありながら一般市民の意見をしっかりと聞き、間違いを訂正できる柔軟性、本当に素晴らしいと思います。
 
また孫さんのツイートに関して強い態度で返信をしてる方が見受けられました。
 
見ていて悲しい気持ちになります。目の前の患者に説明するのと同様に、丁寧にわかりやすく説明するのが医療者の義務でり、Twitterだから礼儀を欠いて良いということではないと重々理解しなければいけません
 
医療に関して排他的ではなくもっと広く一般の方からの意見や考えを取り入れる、
 
お互いにブラッシュアップしていくことも、医療の発展にはとても重要なのではないかと思う今日この頃であります。
 
ではでは。