医者が起業してもええじゃないか

現役医学生が起業家を目指す。起業、医療、ITなど様々な分野を勉強して起業に向けて突っ走る、そんな体験記

世界の歴史から見る感染症シリーズ〜第1弾天然痘〜

どうもおはこんにちばんは、くんひろです。

 

僕は料理得意なわけではないのですが、最近外出できないので時短料理、例えばパスタとか〜丼みたいな料理だけすごく得意になっていきます。

 

オススメは「マ・マーの3分早ゆでスパゲッテイ」です。鍋に水入れて沸騰するまでに2分、茹でて3分。この計5分の間にソースを作って完成です。

 

今スーパーのパスタ品切れ状態になってたりもしますが。きっとみんな同じことを考えているのでしょう。

 

さて本日から世界の歴史から見る感染症シリーズです。

 

新型コロナウイルスパンデミックとなって大騒ぎしていますが、歴史という大きな枠組みで見ると、感染症の大流行というのは何も珍しい話ではありません。

 

皆さんは歴史上人類が完全に勝利した感染症がいくつあるか知ってますか?

 

たったの1つ、天然痘だけです

 

そんなの嘘だよ、と思う方もいるかもしれませんが、それは日本が恵まれており衛生面のしっかりした国だからそう感じるだけです。

 

日本で平成30年にいわゆる感染症で亡くなっている方は約2万4000人います。その中には原疾患があって、免疫が弱っている人が感染してしまう日和胃感染症なども含まれています。

 

過去の病と考えられている結核も1年で2200人亡くなっています。

 

だから新型コロナウイルスなんて怖くないという主張がしたいわけではなく、人類は常に感染症と隣り合わせであるということです。その感染症の歴史を知っていただきたく今回の感染症シリーズやっていきたいと思います。

 

その第1弾として、まずは人類が唯一勝利した感染症である天然痘について今日はお話ししたいと思います。

 

目次

 

天然痘の症状

 

天然痘ウイルスによるもの。感染は口や鼻の分泌物、膿やかさぶたの接触による。

7~16日の潜伏期間を経て、症状は発熱、倦怠感、頭痛。2,3日後特徴的な発疹が出現します。ウイルスの感染力を表す基本再生産数は5〜7と言われています。新型コロナウイルスは2,5とされてるので感染力が非常に高いことがわかります。

苦手な人は写真見ないでスクロールしちゃって大丈夫です。

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WHOホームページ(http://www.who.int/emc/diseases/smallpox/slideset/index.htm



天然痘と世界史

 

最も古い天然痘を示すものは紀元前1100年のエジプトのラムセス5世のミイラの顔面に天然痘と思われる病変の痕跡が見つかった。

 

栄華を極めたローマ帝国、この裏にも天然痘が国内で流行し、国力衰亡に陥ったと考えられている。

 

天然痘は3世紀、4世紀になるとローマやインド、中国など各地方の交流がシルクロードなどによって活発になるにつれてアジアでも流行するようになります。

 

16世紀 大航海時代。時代はコロンブスの新大陸発見により、ヨーロッパ各国は競って新大陸の侵略を行っていた。コルテスがアステカ帝国を、ピサロインカ帝国を滅ぼした、と世界史の教科書には書かれるがここにも天然痘が関係している。

 

当時航海技術が発達していたとはいえ一度に訪れるは多くても数百人程度、それに対して万を超える地元民族を制圧できたのは鉄砲の発明や優れた技術ももちろんあるが鍵を握っていたのは天然痘であった。一説には人口の60〜90%を天然痘で失ったとも言われている。これは現地人は天然痘という未知の病気に対して、全くと言っていいほど対抗するすべを持っていなかったからだ。

 

それはちょうど現代の新型コロナウイルスに対して現状人類がなす術がないのと全く同じである。

 

18世紀フレンチ・インディアン戦争(北アメリカを舞台にフランス、スペインVSイギリス)ではイギリス軍により生物兵器として用いられた。

 

そんな中、1798年エドワード・ジェンナーが当時酪農を行なっている人の間で牛の皮膚に痘疱が多数できる伝染病が流行しており、それにかかったものは天然痘にはかからないことに気づいた。この牛痘が天然痘の弱毒化されたものだと考え、8歳の少年に牛痘を打った。これが先駆けとなり、世界で初めてのワクチンが開発された。

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参照(http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/matsuda/kougi/JALASinOkayama/kougi/Jenner.html

 

その後ワクチンが世界中に広まり、1980年にWHOが天然痘根絶宣言を発表した。

 

天然痘と日本史

 

日本にはもともと天然痘ウイルスはなかったとされています。6世紀半ばごろ仏教伝来とともに朝鮮半島から日本にやってきます

 

この時代日本は飛鳥時代です。冠位十二階、十七条の憲法で有名な聖徳太子とお父さんである用明天皇天然痘で亡くなっています。

 

奈良の東大寺の大仏。これを建てたのは752年聖武天皇と有名です。しかしこれの背景にも天然痘が関与しています。734年天平の疫病(天然痘)が大流行し、当時政権を握っていた藤原氏の四兄弟が死亡。聖武天皇はこれを呪いだと思い仏教の力で国を守る鎮護国家を目指しました。

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東大寺の大仏

 

江戸時代末期の明治天皇の一代前の孝明天皇天然痘により亡くなっている。これに関しては天然痘を用いた暗殺説も唱えられている。

 

天然痘になったことの有名人は源頼朝伊達政宗吉田松陰高杉晋作夏目漱石などきりがない。それほど身近な脅威であったのです。

 

天然痘はなぜ根絶できたのか

 

天然痘が根絶できたのには3つの理由があります。

1つ目は天然痘には不顕性感染が少ないことが挙げられます。

不顕性感染とは今回の新型コロナウイルスのように症状はほとんどないけど陽性の人です。

感染すると、皮疹などの明確な症状が出るため、知らず知らずのうちに他の人に広めていたということを防ぐことができます

 

2つ目は天然痘ウイルスがヒト以外に感染しないことが挙げられます。

インフルエンザを例にとると、仮にヒトの側で感染を防げたとしても、豚や鳥にも感染してしまうため再感染の恐れがあります。

 

3つ目は天然痘ワクチンの効果が非常に高いことが挙げられます。

この3つの条件が揃えば理論上根絶できることとなります。

 

感想

いかがだったでしょうか。普通に学校で習ってきた日本史、世界史の出来事の裏側には実はこんなにも天然痘が絡んでいたのです。

 

これは何も天然痘に限った話ではありません。人類の歴史に大きく関わっていた感染症について今後ピックアップしていきたいと思います。

 

学校の先生もこういうことをちゃんと教えてくれるともっと歴史の授業も面白いと思うんだけど。

もしかしたら話してたけど僕が効いていなかっただけという可能性もありますが笑

 

ではでは